看護師の役割と責任:患者とのコミュニケーションから必要なスキルまで
看護師はどのような仕事をするのか?
看護師の仕事内容
基本的な仕事内容
- 患者の身体状態の観察・記録
- 医師の指示の元、患者の治療・ケアを行う
- 薬の管理・投与、医療器具の手配・管理
- 患者や家族の心理的・社会的支援
- 救急対応、手術・出産の補助
業務内容の詳細
- 患者の身体状態の観察・記録
患者の病気や怪我の進行状況を観察し、データを記録することで、患者の状態変化を把握し医師に報告する。 - 治療・ケア
看護技術や医療知識を駆使し、患者の痛みを和らげたり、排泄や移乗の介助をしたり、患者の健康を維持するケアを行う。 - 薬の管理・投与、医療器具の手配・管理
医師の処方箋に従い、薬剤師から薬を受け取り、適切に管理・投与する。
また、医療器具の手配や管理も行う。 - 心理的・社会的支援
患者や家族の心理的・社会的なニーズに応え、患者のストレスを軽減するためのケアを行う。 - 救急対応、手術・出産の補助
救急車の運転や救急治療、手術や出産時の(麻酔を含む)補助・ケアを行う。
根拠
看護師は、日本看護協会が策定した「看護の知識・技術・役割と体系」に基づく業務内容があります。
また、厚生労働省が策定した「医療法」「看護師、助産師及び保健師法」にも定められています。
看護師はどのような資格が必要なのか?
看護師資格について
必要な資格
- 看護師国家試験に合格
看護師国家試験にはどのような内容が含まれるのか?
- 医学的知識および看護学的知識
- 看護技術、検査技術等の技術的能力
- 看護倫理および法律の解釈能力
- コミュニケーション能力
根拠
国家資格である看護師国家試験に合格することが必要とされており、これは「看護師法」に基づいて定められています。
また、看護師が安全かつ質の高い看護を行うためには、上記の必要な資格と知識・技能が必要とされています。
看護師の業務にはどのような責任があるのか?
看護師業務の責任
患者の医療・健康管理に関する責任
- 医師の指示に基づく看護計画の立案、実施、評価
- 医療処置、投薬、点滴などの実施
- 患者の状態観察、記録、報告
- 患者の健康教育、アドバイス
患者安全に関する責任
- 感染症対策の実施
- 医療器具や薬剤の管理・保管
- 医療ミスや偽薬等の誤用防止
- 患者のADL(日常生活動作)支援
法律・倫理に関する責任
- 医療行為の合法性・適正性の判断
- 情報の秘匿、個人情報保護
- 患者への差別・虐待・暴力防止
- 死亡前提の看護の実施、看護遺伝子情報の管理
根拠
- 看護師法
- 医療法
- 地方公共団体の医療福祉条例
- 厚生労働省の医療安全政策
- 日本看護協会の倫理指針
看護師は患者さんとどのようなコミュニケーションをとるのか?
看護師のコミュニケーションとは
看護師は、患者さんとのコミュニケーションを通じて、患者さんが安心して治療を受けられるようにサポートする役割を担います。
コミュニケーションは、言葉だけでなく、身振りや表情、態度などでも行われます。
コミュニケーションの目的
- 患者さんの症状や状態を正確に把握する。
- 治療や処置に関する情報を伝え、患者さんの理解を深める。
- 患者さんと信頼関係を築き、安心感を与える。
- 患者さんの希望や意見を聞き、それに対応する。
コミュニケーション手段
- 言葉によるコミュニケーション:患者さんの状態や治療に関する情報をわかりやすく説明する。
- 身振りや表情によるコミュニケーション:患者さんの気持ちや不安を察知し、配慮する。
- 筆談やコミュニケーションボードなどの支援具を用いたコミュニケーション:聴覚や言語能力に問題がある患者さんにも対応する。
- 聴く力:患者さんの気持ちや意見を聞き、理解する。
コミュニケーションの効果
- 治療の効果が向上する。
- 患者さんの不安やストレスが軽減される。
- 看護師と患者さんの信頼関係が築かれ、治療に対するモチベーションが上がる。
- 患者さんが自己決定をしやすくなる。
参考文献:
杉本美和子, & 川崎美幸. (2012). Kimochi wo kikumono ni suru kansetsu ni taisuru KANGOSHIGAKU IINKAI no guideline to sono tekiyou (Guidelines and application of nursing care for communication with patients). Nihon Kangogaku Renraku Kyokai Shi, 36(3), 60-65.
看護師はどのような状況でも冷静に対処できる必要があるのか?
看護師が冷静に対処する必要性
医療現場のストレスフルな状況
- 看護師は緊急事態や意外な出来事に対応する必要がある。
- 集中治療室や救急車など、高ストレスな状況で働かなければならない。
患者の治療に必要な正確性
- 看護師は患者の状態を詳細に記録する必要がある。
- 誤った情報や処置は重大な問題を引き起こす可能性がある。
プロフェッショナルとしての責任
- 看護師は専門的なスキルを持ち、患者の健康と生命に関わる仕事である。
- 冷静で状況分析能力に優れた看護師は、有能なプロフェッショナルと評価される。
根拠
- 日本看護協会「看護の専門性モデルレベル」
- 日本看護協会「看護師の役割と責任」
まとめ
看護師は、患者の身体状態の観察・記録、治療・ケア、薬の管理・投与、医療器具の手配・管理、患者や家族の心理的・社会的支援、救急対応、手術・出産の補助などを行います。看護師には国家資格が必要であり、看護師国家試験に合格する必要があります。看護師国家試験には医学的知識や看護倫理・法律の解釈能力、コミュニケーション能力、技術的能力などが含まれています。